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道路交通法

緊急車両に道を譲らない人が増えてるけど、道路交通法違反になりますよ!

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緊急車両に道を譲らない人が増えてるけど、道路交通法違反になりますよ!

最近、一般道路を普通に車を走らせていたり、歩いていたりすると、特に気になることがあります。

救急車や消防車などの緊急車両が交差点に侵入しようとしても、停止せずに交差点内に突っ込んで来る車両や後ろから来た緊急車両に車線を空けて譲らなかったり…という場面をよく目にするようになりました。

どこから来ているのか、窓を開けて耳を澄ませても分からないこともありますが、以前と比べてそういった場面に遭遇する機会が本当に増えている気がします。

自動車学校の教則本などで、きちんと緊急車両に対しての行動が記載されており、実際に教わるはずなんですけどね。

では、緊急車両に道を譲らなかったら、どうなるのでしょうか?

本来だったら、譲らないと違反になりそうだということは理解していると思いますが、実際にはどのような罰則規定があるのでしょうか?

今回は、緊急車両に道を譲らなかったら、どんな罰則があるのか詳しく見ていきたいと思います。




緊急車両の定義

まずは、緊急車両とは、どのような車両なのでしょうか?

緊急の用務に際して、優先的な走行や優先的な道路の利用を許可された車両」のことを指します。

具体的には、「緊急自動車」と「緊急通行車両」に大別されます。

緊急自動車

道路交通法施行令14条(緊急自動車の要件)、道路交通法第39条(緊急自動車の通行区分等)にて定義されています。

救急用自動車、消防用自動車、その他政令で定める自動車のことで、緊急の用務のために運転する際には、サイレンを鳴らし、赤色の警光灯をつけなければならないと記されています。

例外として、警察車両などが取り締まりを行う場合には、サイレンを鳴らすことを要しないとされています。

黄色や青色の警光灯をつけた車両は、緊急自動車には該当しません。

緊急通行車両

災害対策基本法第76条によって、道交法39条で定める緊急自動車と災害対策のために通行を確保する必要のある政令が認めた車両のことであると定義されています。

救急用車両、消防用車両、警察車両のほか、自衛隊車両、その他重機、大型車両などを指します。

場合によっては、警察、消防、自衛隊が通行禁止区域を設定することもあります。

緊急車両の特例

緊急車両は、いくつかの特例が認められています。

  • 追い越しをするためやむを得ず、右側(反対車線)に全部または一部をはみ出して走行すること
  • 停止義務(赤信号などで停止すること等)の免除(ただし徐行義務はあります)
  • 緊急走行時の最高速度緩和、一般道路80km/h、高速道路100km/h
  • 緊急用務中は、高速道路・一般有料道路の通行料金徴収の対象としない
  • シートベルト着用義務免除
  • 歩行者側方通過時の安全間隔保持及び徐行義務の免除

など、色々と特例が認められていますが、原則として安全運転義務は免除されていません。

また、これらは緊急車両(緊急走行時)に対してのみ適用されるので、一般車両はもちろん、緊急車両においても通常走行時には適用されません。

緊急車両が近づいてきたら

緊急車両(緊急自動車)が近づいてきたら、どのように対応したらよいでしょうか?

教習所の座学でしっかり教わっていますし、運転教則本にもきちんと記載されているので、当然知っておかなければいけないものですが、意外とフワッとしか理解していない方も多いですね。

とりあえず左に寄って通行の妨げにならないようにする」くらいの認識ではないでしょうか?

ここで改めて、きちんと理解しておかないと違反になってしまうこともあるので、おさらいしておきましょう!!

道路交通法では、第四十条(緊急自動車の優先)にて定められています。

第四十条 交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。
2 前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。

分かりやすくまとめると、「交差点を避けて、緊急自動車の通行を妨げないように一時停止しなさい!!」ということですね。

もし緊急車両に道を譲らなかったら…

最近、本当に道を譲らない行為が目につくようなっていますが、もし緊急車両(緊急自動車)に道を譲らなかったらどうなるのでしょうか?

救急車や消防車が、道を譲ってもらえなかったばかりに、救えるはずだった命が失われてしまうかもしれない…

そんなことを想像したら、ちょっと胸が痛みますね。

自分が譲らなくてもそれほど影響無いだろって思うかもしれませんが、一時停止や徐行している救急車が交差点ごとにそうしていると、チリツモで大きな遅延に繋がってしまう可能性だってありえます。

したがって、そのようなことが起きないように、道路交通法で明確に罰則規定がされています。

前述の道路交通法 第四十条(緊急自動車の優先)で定められている規定に違反した場合は、「罰則 第百二十条第一項第二号」にて、

第百二十条 次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
二 (中略)、第四十条(緊急自動車の優先)、第四十一条の二(消防用車両の優先等)第一項若しくは第二項又は第七十五条の六(本線車道に入る場合等における他の自動車との関係)の規定の違反となるような行為をした者(第二十六条の規定の違反となるような行為をした者にあつては、第百十九条第一項第一号の四に該当する者を除く。)

とあります。

要約すると、「緊急車両(緊急自動車、消防用車両)の通行を妨げたり、本線車道に入るのを妨げたら、5万円以下の罰金に処す!!」ということです。

まとめ

緊急車両のサイレンがどこから聞こえてくるのか分からなくて、あたふたしてしまうことはあるのですが、札幌新道を走っていると後ろから緊急車両が来て、赤信号で一時停止している車両が何とか頑張って道を開けているのは微笑ましい気持ちになります。

一方、交差点で横から来ている緊急車両が見えているにもかかわらず、普通に進入してくる車両を見ると腹立たしく思ってしまいます。

本来、運転業務を行う場合には知っておかなければいけない(実施しなくてはいけない)ことなのですが、意外と知られていなかったり、忘れてしまっていたり、改正れていたり、ということで身についていないものが多いと思います。

また別の機会で色々とご紹介していきたいと思います。

道路交通法については、こちらのサイトで閲覧できます。

e-gov 法令検索 昭和三十五年法律第百五号 道路交通法

それでは最後に私が免許取り立ての頃、バイトの先輩から言われた言葉が印象的で心に残っているので紹介して締めたいと思います。

学科試験って全て運転に必要なものだから、本来100点じゃなきゃいけないんだよね…

-道路交通法

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