冬が近づいてくると、北海道ではスタッドレスタイヤのCMも始まってきますね。
冬道の運転は、何年運転していても毎年緊張して、気が引き締まる思いがします。
北海道のドライバーさんは、皆さん一度は経験していると思いますが、冬道の路面状況が一見普通に見えても、実はツルツル路面でスリップしたり、停止線で止まれずにオーバーランしてしまったり、など怖い経験をされたことがあるのではないでしょうか?
冬道の路面状況は、大きく分けると
- 圧雪
- アイスバーン
- ブラック(アイス)バーン
- ミラーバーン
というものがあります。
どの路面状況もノーマルタイヤ(夏タイヤ)で運転するのは自殺行為ですが、それぞれどのくらい危険なのでしょうか?
そこで今回は、路面状況ごとに、どのくらい危険なのか比較してみたいと思います。
圧雪(あっせつ)
圧雪路とも言います。
漢字のとおり、圧縮された雪の道路です。
通常、雪が降ったあとの道路を車が走ると、雪が踏み固められます。
踏み固められた雪は、とてつもなく硬くなりますが、スタッドレスタイヤですと、しっかり路面を噛むので、比較的走りやすい道路です。
道路一面真っ白になるので、停止線や車線、横断歩道などは見えなくなってしまうので、注意が必要になります。
また、圧雪の状態で朝晩の冷え込みを迎えると、凍結します。
「圧雪凍結」の状態になると、いわゆる「圧雪アイスバーン」と呼ばれる状態になります。
圧雪の状態よりも確実にスリップしやすくなるので、積雪があって夜間に冷え込んだ次の日は、特に注意が必要です。
アイスバーン
アイスバーンは、積雪があり路面が圧雪の状態になったあと、いったん日中に溶けて、夜間に路面凍結した状態を指します。
圧雪アイスバーンは、溶けずにそのまま凍結した状態なので、路面状況としては微妙に違い、アイスバーンと呼ばれる状況の方が、より注意が必要になります。
アスファルトの路面は、細かい凹凸がたくさんあるので、積雪量や交通量などの様々な条件によっては、比較的走りやすい場合もありますが、路面は凍結しているので、油断すると文字通り足元をすくわれます。
ブラック(アイス)バーン
ブラックアイスバーンと言ったり、ブラックバーンと言ったりしますが、路面に薄い氷の膜が張ったような状態で、一見すると路面が濡れたアスファルトのように見えるので、ある意味最も危険な路面状況と言えます。
雨が降った後に、路面が凍結するとブラックバーンになりやすいので、積雪の少ない地域でも起きることがあります。
濡れたアスファルトだと思ってそのまま走行していると、突然スリップすることがあるので、冬場の濡れた路面は凍結してると思って走行した方が安全です。
ミラーバーン
ミラーバーンは、「鏡面圧雪」とも呼ばれ、踏み固められた圧雪路面が凍結し、さらにタイヤによって磨き上げられた状態を指します。
まるで鏡のようにツルツルで反射して光っているので、ひと目でミラーバーンだと分かります。
交通量の多い幹線道路や交差点で発生しやすく、停止もしづらく、発進もしづらい、もっとも交通事故の起きやすい路面状況となります。
最近では、ミラーバーンの起きやすいところには、砂箱が設置してあり、滑り止め用の砂が置かれています。
ミラーバーンになっている交差点などは、歩行者も多く横断するため、車のスリップ防止だけでなく、歩行者の転倒防止のために、砂を散布することが多くなっています。
停止した後の発進が困難な場合は、最寄りの砂箱から砂をタイヤ付近に撒いてみると良いと思います。
各路面での制動距離を比較
時速40kmで走行した場合、それぞれの路面状況でどのくらい制動距離に違いがあるのか、比較してみました。
摩擦係数など、概算で算出しているので、実際には路面状況やタイヤ性能、車体重量によって変わるので、参考程度にしておいて下さい。
乾燥路面 | 7.9m |
---|---|
濡れた路面 | 19.7m |
圧雪路面 | 23.7m |
アイスバーン | 42.6m |
ブラックバーン | 69.1m |
ミラーバーン | 78.8m |
アイスバーンなどの滑りやすい路面での走行の仕方
アイスバーンなど、路面凍結が起きやすい場所があります。
「トンネル付近」「橋の上」「日陰」「交差点付近」です。
これらの場所を極力走行しないのが、一番の最善策ですが、どうしても走行しなくてはいけない場面も多々あります。
その場合は、とにかく減速することに尽きます。
また、いつも以上に車間距離を充分に取りましょう。
どの路面状況でもそうなのですが、冬道の場合は夏場とは違って、運転の仕方に注意が必要になります。
一番やってはいけないことは、
- 急ブレーキ
- 急ハンドル
- 急発進
- 急加速
とにかく、「急」の付く操作はご法度です。
ABS(アンチ・ブレーキロック・システム)が作動し、自動的にポンピングブレーキをするので、ある程度はブレーキが効くようになっていますが、路面状況によってはABSが効かなかったり、作動しなかったりする場合があります。
急ブレーキによって、スリップしハンドルが効かなくなることがあるので、急ブレーキはヤメましょう!
反射的に、急ハンドルを切ってしまうことがあるかもしれませんが、タイヤの向きに進まずに車体の進行方向にそのまま進んでしまい、コントロールを失ってしまうことがあります。
その場合は、アクセルを離し、ゆっくりハンドルを戻すと、タイヤがグリップしてコントロールが回復します。
急発進や急加速など、アクセルを急に踏み込むと、タイヤが空転しスリップしてしまいます。
その場合、アクセルを急に離すと、突然タイヤがグリップしてガクンと衝撃を受けるかもしれません。
場合によっては、意図せず前進してしまい、追突する可能性もあります。
アクセルを離す時も、ゆっくり離すようにしましょう。
まとめ
冬道は、油断すると重大事故になりやすいです。
路面状況も悪化するのですが、道路幅が狭くなったり、視界が悪くなったり、危険度が夏場とは比べ物にならないくらい高くなります。
圧雪でもアイスバーンでもブラックアイスバーンでもミラーバーンでも、「急」の付く操作は絶対にヤメましょう!!
一見、路面が普通に見えていても、冬場の路面は基本的に凍結していると考えて、「減速」「車間距離」を常に意識して運転しましょう。
もうすぐ冬を迎えますが、安全運転で楽しいマイカーライフを送りましょう!