北海道のドライバーさんなら知っているけど、全国的にはあまり知られていない路面状況に「そろばん道路」というものがあります。
アイスバーン、ブラックアイスバーン、ミラーバーンなどは大変危険な路面状況として広く知られていると思いますが、雪の多い真冬よりも雪溶け近くになると発生するのが「そろばん道路」というものです。
路面にまるでそろばんの珠のように凸凹とした氷の塊ができるので、そのように呼ばれています。
北海道で冬道を運転されるドライバーの皆さんは、そろばん道路の危険性など経験的にご存知だと思いますが、その発生メカニズムはあまり知らないと思います。
轍(わだち)ができたり、ツルツルのアイスバーンができる仕組みは何となく理解できると思いますが、そろばん道路がどのようにできるのか、発生の仕組みや危険性について紹介していきたいと思います。
そろばん道路の危険性
そろばん道路は、雪溶けの季節が近づく2月頃に多く見られます。
交差点付近にできやすいく、小さなコブのような氷の塊が無数にできるため、ガタガタと振動がひどくなるだけでなく、ハンドルを取られてしまい事故につながる可能性もあります。
そろばん道路をスピードを出して走行してしまうと、車両が激しく跳ねるため故障の危険性も高まりますし、路面が凸凹なためタイヤの接地面が減るためグリップ性能が低下しますし、そろばんの珠の部分は氷である場合がほとんどなのでブレーキも効きづらくなっています。
そろばん道路を走行する場合は、できるだけスピードを落とし車両に振動を受けない走り方をするのが安全です。
できるだけ凹凸の少ない路面を選んで走るのも有効ですが、対向車線をはみ出して走行するのは控えましょう!!
そろばん道路の発生メカニズム
さて、そろばん道路はどのようにできるのでしょうか?
実はその発生メカニズムについては、いまだに不明な点が多く明確な原因は解明されていません。
北海道大学大学院研究院 特集04「積雪路面の「不思議」を科学の力で解き明かす」
北海道大学工学部の研究では、ある程度想定されるメカニズムについて解説されています。
「ある程度の積雪量」「交通量」「気象条件」が噛み合った場合に発生することまでは分かっているそうです。
車両が停車・発車を繰り返すことで、圧力のかかる箇所とかからない箇所が生まれ、結果として凹凸ができるということのようです。
雪溶け近くに起こりやすいことから、圧力のかかったところは溶け残り、かからないところは溶けてしまうため、そろばんの珠のような塊ができるのではないかと想像してしまいます。
そろばん道路ができないようにするためには、こまめな除雪が必要ということになります。
まとめ
冬道・雪道は、轍ができたり、アイスバーンやブラックアイスバーンなどのツルツル路面ができたり、そろばん道路のような凸凹路面ができたりと、路面状況は複雑で走りにくくなるため、交通事故の危険性が高まります。
そろばん道路の発生を防ぐには、こまめな除雪が必要となります。
【そろばん道路を走行する時の注意点】
- スピードを出さない
- スピードを一定に保つ
- ブレーキやアクセルを控える
- ハンドルを切り過ぎない
- できるだけ凹凸の少ない箇所を走行する
スピードの出し過ぎには十分注意し、急ハンドルや急ブレーキは控えて、安全運転に心がけましょう!!